喀血・反復性血痰でお困りの方へ(喀血専門外来のご案内)
肺あるいは気管・気管支等から出血した血液を、咳とともに口から吐き出されることを喀血と言います。血液成分が混じった肺あるいは気管・気管支等の分泌物(痰)を喀出する場合は、血痰と言います。一過性の少量の血痰は、かぜや気管支炎等の急性感染症でも起こり得る症状です。一方、喀血や反復する血痰の場合は、慢性呼吸器感染症(肺結核性抗酸菌症や肺アスペルギルス症)、気管支拡張症、肺結核、肺癌等の呼吸器疾患が隠れている可能性があり、適切な診断と治療が必要です。また喀血量が多い場合や呼吸器の基礎疾患をお持ちで低肺機能の場合は少量の喀血であっても、急速に呼吸状態が悪化する場合(窒息も含め)もあり、緊急な対応が必要となります。
当院は喀血や反復性血痰でお困りの患者様に対して、2010年から喀血専門外来を開設しています。精密検査として喀血の原因となる血管を探し出すため、CTを用いた画像検査として造影剤投与下にCT-Angiography(BA-CTとも言います)を行います。喀血の責任血管である気管支動脈やその他の胸壁の栄養血管が発達していることが確認された場合には、カテーテルという細い管を動脈の中に入れて喀血の責任血管を金属コイルで詰めて再喀血を予防する、気管支動脈塞栓術(BAEと呼びます)を入院のもとで行います。
喀血の原因となっている呼吸器基礎疾患対する根本的な治療が、再喀血の予防の意味でも、必須であることは言うまでもありません。従って、血痰・喀血の原因となる呼吸器疾患に対する治療に関しては、薬物療法が必要な場合は呼吸器内科医が中心となり、外科的治療や放射線治療が必要な場合には呼吸器外科医や放射線科医も協働して治療を行っています。このように呼吸器センターの医師が専門性を活かし、様々なアプローチで治療出来ることが、当院の強みと言えます。
反復する血痰・喀血でお困りの方は、入浴や運動、外出等に伴い出血するのではないか?との懸念から心理的不安や身体活動性の低下に陥ることが少なくありません。その様な患者様に、BAEを中心とした治療機会の窓が開かれ、治療後は再喀血の不安が軽減し安心して生活が送れることを目標に、我々肺循環・喀血センターのメンバーは日々精進し、治療に当たらせていただいております。
喀血外来は予約制です(火曜日 午後)
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