院長挨拶
昨年(2025年)は入院医療に関する2025年問題という一つの節目を迎えていました。10年ほど前から、地域医療構想として4つの医療機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに推計した病床の必要量に、
その地域の現実の病床数を近づけようと医療機能の分化・連携の取組が進められてきました。次の節目とされているのが、
全国的に高齢者人口がピークを迎える中で、生産年齢人口の急減に直面する局面を迎えるとされる2040年問題です。
医療・介護の複合的ニーズを有する 85 歳以上人口が急増すると、各地域において、治し支える医療と個別ニーズに沿った介護・支援が有機的に連携していくことが必要です。
入院医療のみでなく、外来・在宅医療と介護の連携を進めていかなくてはなりません。
当院は、平成16年4月に独立行政法人国立病院機構東京病院となり、当初の結核専門の病院から、建物も診療内容も大きく変わってきました。
結核患者の減少とともに役割を変え、清瀬の地で呼吸器診療のトップランナーとしての役割を果たしながら、北多摩北部医療圏及び所沢・新座を中心とした埼玉県の一部医療圏の地域医療を支え、
さらには、国立病院としてのセーフティーネット系医療も行っています。新型コロナ感染症対応など時代や地域の要請に応じて変化する役割を遂行しながら、変わらない安全で質の高い医療を目指し続けています。
それは今後の社会環境の変化でも変わりありません。
東京病院は、その時代において必要とされる機能を取り入れ発展してきました。地域災害拠点病院、二次救急医療機関、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関などの指定を受け、 また、診療の幅を広げる中で、東京都アレルギー疾患医療専門病院、東京都がん診療連携協力病院(肺がん)などの指定も追加されました。 医師の研修医療機関としての機能の充実も図り、内科専門研修の基幹病院、連携病院としてのみならず、その先のサブスぺシャリティー分野の研修においても、基幹病院、連携病院として、研修の受け入れを行っています。
地域医療構想は人口構成の変化する次の2040年を目指して、病院、診療所、高齢者施設等、在宅診療・看護・介護といった、医療・介護のすべてを網羅した将来像を作成するべく動き始めました。
その中で当院も適切な病診・病病連携、医療と介護の連携を、今後も進めてまいります。
東京病院は、「患者さん」の満足度を高め、「地域」に必要とされる病院になることはもちろんですが、同時に「職員」の教育体制の充実に努力していることも、強調しておきたいと思います。
労働人口の減少に伴い、医療関係の人材不足はすでに起きており、今後も継続する問題です。タスクシフトや医療DXによる効率化はもちろんですが、教育、研修に力を入れることで、これからの時代に活躍できる人材の育成を図っていきます。
理想とする病院構想について挙げてきましたが、病院の雰囲気も大事にしたいと思っています。
病院という機能上、患者さんも職員もなかなか楽しく過ごしてばかりはいられません。
つらいことがあって、うまくいかないこともある中で、お互いが相手を思いやる。
医療職が患者さんにやさしいのはもちろんですが、患者さんが職員にやさしいのもこの病院の特徴であり、私の理想形です。
外来の時には多くの患者さんから励ましの言葉をいただきます。よい病院は東京病院の職員だけではできません。
当院を受診される患者さんのみではなく、この地域の方々もより良い東京病院づくりにぜひ参加をお願いします。
2026年4月1日
国立病院機構 東京病院
院長 松井 弘稔



