薬剤部
薬剤部の紹介
薬剤部長 近藤 直樹
当院は主として、急性期医療を中心に地域医療を支える基幹的病院の機能を有するとともに、緩和ケア、リハビリテーション等の機能を併せ持つ、急性期、回復期、慢性期の疾患に対応できる地域密着型の医療機関です。そのため、当院の薬剤師は、様々な状態の患者さんへの対応が求められます。すなわち、急性期における薬物療法だけではなく、回復期、慢性期での薬物療法も理解しなければなりません。加えて、医師、看護師、メディカルスタッフ、事務職員をはじめとする当院の全職員と連携を図りながら、最善の薬物療法を提供すべく、責任をもってチーム医療に参画する必要があると考えています。
これを達成するためには、責任をもって医療に貢献できる薬剤師の人材育成が重要であり、薬剤部長として副薬剤部長や主任等と協力しながら、その責務を果たしていきたいと考えています。当院薬剤部の利点は、患者さんを第一に考えて仕事をしているところです。これをさらに発展させるとともに、「歩みを止めず」「夢を語り」「情熱を持ち続け」「患者さんへの思いを忘れず」「誰もが意見を言える」部門に成長させていきたいと考えています。
患者さんは常に病気と向き合っています。薬剤師もチーム医療の一員として、一人でも多くの患者さんの薬物療法に貢献し、患者さんや家族、また多職種から「薬のことは担当薬剤師や薬剤部に相談しよう」と信頼されるよう引き続き努力して参ります。
これからも東京病院薬剤部をどうぞよろしくお願い申し上げます。
■スタッフ(薬剤師18名、薬剤助手1名)
薬剤部長 | 近藤 直樹 |
---|---|
副薬剤部長 | 船崎 秀樹 |
治験管理主任 | 塚原 梨恵 |
製剤主任 | 植木 大介 |
調剤主任 | 吉田 幹宜 |
薬務主任 | 田沼 健太郎 |
■資格・認定薬剤師
■主な業務実績
■その他
薬剤師採用情報と病院見学については、こちらをご覧ください。
明治薬科大学との間で、包括連携を締結しています。
業績
薬剤部の業務
■調剤業務
調剤室では医師から処方された医薬品の量や他の医薬品との相互作用などを患者さん毎に確認するとともに、服用しやすい剤形の選択や複数の医薬品の一包化などを実施しています。このように取り揃えられた医薬品は、間違いがないかを最終監査により確認しています。
院外処方箋に関する保険薬局からの問い合わせは、すべて薬剤部で対応しています。当院では、薬剤部と診療部により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、処方医への照会を一部省略して薬剤部で回答を行うことで、保険薬局への情報伝達の迅速化を図っています。
■注射業務
当院では医薬品オーダリングシステムにより、注射処方箋と注射薬ラベルの作成とアンプルピッカー(注射薬自動払出装置)による注射薬の取り揃えを行っています。薬剤部では、医師が入力した注射処方箋に基づき、投与方法、投与量及び投与速度、混合時の安定性や配合変化、他の医薬品との相互作用の確認と取り揃えられた注射薬に間違いがないかを2名の薬剤師により確認し、患者さん毎に注射カートにセットしています。
■抗がん剤無菌調製業務
入院及び外来の抗がん剤については、レジメンチェックによる投与量等の確認を行い、薬剤部内の無菌調製室に設置している2台のクラスⅡ(100%排気型)安全キャビネットで調製を実施しています。現在は膀胱注入用抗がん剤についても薬剤部で調製しており、抗がん剤調製は土日祝日を含め、薬剤部による実施率は100%を達成しています。
■製剤業務
製剤業務は、診療上必要であるにもかかわらず適切な医薬品が製造されていない場合や、調剤業務の効率化及び迅速化を図るために院内において薬剤師が調製するものです。薬剤師はこれらの調製方法・保管方法などを十分に検討し、安全な製剤として提供できるよう努めています。
■医薬品管理業務
医薬品の安定供給のため、適正な購入・保管(医薬品保冷庫には自動温度記録計を設置してデータをパソコンで管理)を行うとともに、毎月の棚卸による在庫確認と使用期限のチェックを実施しています。新たに病院内で使用する医薬品については、薬剤部が事務局となって運営する薬剤委員会において採用の是非が審議されます。後発医薬品への切替えも積極的に行っており、後発医薬品使用割合は数量ベースで約90%となっています。
■医薬品情報管理業務
医薬品に関する各種情報の収集・提供・管理を行っています。定期的な情報発信の他に製品の中止・回収、厚生労働省プレスリリース等の突発的な情報の場合は、内容の分析と対応方針を検討し、迅速な情報提供を行います。電子カルテ内には、医薬品の適正使用を目的として、ハイリスク薬の安全使用手順と薬剤リスト、休薬期間・投与間隔に特に注意が必要な医薬品、手術前休薬期間の目安、転倒転落を起こしやすい薬剤リストなどの情報を掲載して医療従事者への情報提供を行っています。
■病棟関連業務(薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務)
当院では病棟に担当薬剤師を配置しています。
薬剤管理指導業務では、入院患者さんのベッドサイドにお伺いして、使用されている医薬品の服薬指導を行うとともに相互作用や副作用等の状況把握を行っています。病棟薬剤業務では、入院患者さんの持参薬及び服薬状況等の確認や医薬品投与前における説明、投与量の確認等を行い、より最適な医薬品の使用のための処方提案なども積極的に行っています。
■外来化学療法業務
外来化学療法室で抗がん剤の投与が行われている患者さんに対して、医薬品の説明、投与スケジュール、想定される副作用の初期症状と発現時期等について薬剤師による指導を実施しています。近年のがん患者の増加とがん薬物療法の進歩に対応するため、がん認定薬剤師の育成に取組み、現在は3名のがん認定薬剤師が業務を行っています。
■入院サポートセンター業務
入院サポートセンターは、入院決定時から患者さんとの関わりをもつことで、手術・検査や入院生活に対する患者さんが抱える不安を軽減し、安心して入院の準備が出来るようにそれぞれの医療専門職が支援を行うものです。薬剤部では、呼吸器外科の手術予定の患者さんに対する服薬状況やアレルギーの確認と手術前中止薬に対する中止時期の確認・指導を行っています。
医薬品情報資料集
■術前中止薬一覧(手術前休薬期間の目安)
・抗血小板・抗凝固薬 [PDF]
・経口女性ホルモン製剤 [PDF]
■経口血糖降下薬一覧 [PDF]
■当院採用吸入薬一覧 [PDF](2023年8月更新)
■抗アレルギー薬一覧 [PDF]
■インフルエンザ治療薬一覧 [PDF]
チーム医療について
■院内感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)
院内で起こる様々な感染症から患者さんとその家族、職員の安全を守るため、横断的に病院全体の感染対策活動を行います。医師(Infection Control Doctor : ICD)、感染管理認定看護師、薬剤師、検査技師、事務職員から構成されており、薬剤師は、院内における抗菌薬使用状況を把握するとともに、抗菌薬・消毒薬の適正使用の推進に携わっています。
■抗菌薬適正使用推進チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)
AMR(薬剤耐性)アクションプランの策定により、抗菌薬適正使用が一層注目されるようになり発足しました。ICTは「感染症を起こさない・拡大させない」ことを目的として看護師が中心になり活動していますが、ASTは「感染症の診断・治療」に焦点を当てて、医師、薬剤師が中心となり活動しています。週1回の回診では感染症治療の観点から、個々の患者さんに使用している抗菌薬の適切性を検討し、主治医に寄り添う立場で助言を行っています。
■栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)
入院患者さんの治療効果の向上や合併症予防のために最良の栄養療法を提供することを目的とした医療チームです。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士で構成され、患者さんの栄養評価や適切な栄養療法の提案を疾患治療に応じて適切に行います。当院では結核病棟中心に週1回の回診を行っており、職員対象の勉強会も年6回開催しています。薬剤師は経腸・静脈栄養剤の摂取栄養量の算出や嚥下・消化機能に影響を及ぼす薬剤のチェックなどを行っています。
■緩和ケアチーム
当院の緩和ケアチームは医師、看護師、薬剤師により構成され、患者さんの様々な苦痛(身体的苦痛、社会的苦痛、精神的苦痛、スピリチュアルな苦痛)を緩和するために、一般病棟を対象に週1回のカンファレンスおよび回診を行っています。
薬剤師は麻薬をはじめとした薬剤全般の管理を行います。カルテ情報に加え、医師・看護師から直接得られた情報、患者さんやその家族から得られた情報、臨床所見などを総合し、薬学的視点から薬物療法の適切性を判断し処方提案を行っています。
■褥瘡対策チーム
活動性が低下したり、安静状態が長く続いたりすると、同一部位に一定以上の圧力がかかり、お尻やかかとの皮膚に褥瘡(じょくそう=床ずれ、皮膚の潰瘍)ができることがあります。また、摩擦やずれ、失禁、低栄養、やせ、加齢、基礎疾患など様々な要因もかかわっています。そこで多職種(医師、薬剤師、管理栄養士、皮膚・排泄ケア認定看護師、看護師、事務)で構成された褥瘡回診チームが、月1回の回診により褥瘡の予防・治療に対してそれぞれの専門性を発揮して活動しています。薬剤師は栄養状態や消化機能に影響を及ぼす薬剤のチェックや適切な外用剤の選択に携わっています。
■呼吸サポートチーム(RST:Respiratory Support Team)
人工呼吸器離脱や挿管チューブの抜管に向け、最適な治療の道筋を助言・サポートすることを目的としたチームです。活動内容は人工呼吸管理の安全管理、治療効果の向上、合併症の減少、院外・院内における啓蒙活動などで、薬剤師は適切な鎮静薬・鎮痛薬の提案や投与速度などについて介入を行っています。
■分子標的・免疫治療支援チーム
(MIST:Molecular targeted therapy Immuno therapy Support Team)
近年、分子標的薬や免疫治療薬といった新たながん治療薬が登場してきました。これらの薬剤は従来と異なる副作用が出現することがあります。このため、当院ではMIST という医師、薬剤師、看護師で構成する独自のチームを発足し、初回導入時の副作用予防薬剤や歯科介入等の提案、入院中の副作用モニタリングを行い主治医との連携を図ることでより適正な薬物治療の実施を可能としています。薬剤師は、副作用のグレード評価後の処方提案及び対処方法の手順の作成、各種医薬品情報の提供、患者さんへの服薬指導を行っています。
患者さんへ
■後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用推進について
当院では後発医薬品を積極的に採用・使用しており、医薬品の安定供給に向けた取り組みも実施しております。
現在、一部の医薬品について十分な供給が難しい状況が続いておりますが、医薬品の供給不足等が発生した場合に、治療計画等の見直し等、適切な対応ができる体制を整備しております。
状況によっては、使っている薬剤を変更する可能性がございますが、その場合は患者さんに説明いたします。
ご不明な点やご心配なことなどがございましたら、当院主治医または薬剤師までご相談ください。
ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
■院外処方せんについて
当院では外来受診された患者さんのお薬は院外処方せんを発行し、保険薬局でお薬をいただいてもらうこととしています。保険薬局では、薬歴を作成することで、複数の病院に受診された場合や市販薬の購入の際など、薬の重複や相互作用をチェックし、副作用などの健康被害を未然に防止することが可能です。
【ご注意】
院外処方せんの有効期間は、交付日を含めて4日以内となっています。
この期間内に処方せんを保険薬局へお持ちになり、お薬を受け取ってください。
■かかりつけ薬局について
普段から何でも相談できる「かかりつけ薬局」を持つことをおすすめします。
複数の医療機関におかかりの場合、お薬の重複や相互作用による副作用などの健康被害を防ぐことができます。また、市販薬や健康食品に関しても同様です。複数の薬局に行くのではなく、いつでも気軽に相談できる「かかりつけ薬局」を一つ決めてみてください。
■お薬手帳について
お薬手帳は、これまでに処方されたお薬の記録であり、お薬の重複、相互作用やアレルギーなどのチェックが可能です。病院や薬局に行かれる際は必ずお持ちください。
保険薬局の皆様へ
■疑義照会について
〒204-8585 東京都清瀬市竹丘3-1-1
独立行政法人国立病院機構 東京病院 薬剤部
電話:042-491-2986(薬剤部直通)
FAX:042-492-9099(医薬品情報管理室)
受付時間:平日8:45~17:00
【処方内容以外(医師の押印及び公費負担など)の問合せ連絡先】
電話:042-491-2111(代表)
※音声ガイダンスが流れますので「8」を押して下さい。その後「2」を押して下さい。
外来算定係に繋がりますのでお問合わせ内容をお伝えください。
■後発医薬品への変更調剤について
同一規格・同一剤形における先発医薬品から後発医薬品への変更調剤および後発医薬品の銘柄変更調剤については、当院へのFAX等による情報提供は不要です。ただし、患者さんの「お薬手帳」に調剤した医薬品を記載していただき、受診時に必ず持参するようご説明をお願いします。
■トレーシングレポート(服薬情報提供書)の運用について
当院では保険薬局が患者さんから聞き取った情報の中で、即時性は低いものの「処方医師への情報提供が望ましい」と判断した際に使用していただけるトレーシングレポート(服薬情報提供書)を用意しました。
情報提供の際は、下記のトレーシングレポート(服薬情報提供書)にご記入いただきFAX送信をお願いします。薬剤部にて集約した後、医師へ情報提供させていただきます。地域保険薬局との連携を図ることで、適正な薬物療法の推進に繋がるものと考えます。ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
トレーシングレポート(服薬情報提供書) [PDF] [Word]
送信先 国立病院機構東京病院 薬剤部
FAX:042-492-9099(医薬品情報管理室)
■院外処方せんにおける「疑義照会事前同意プロトコール」の運用について
当院では、院外処方せんにおける調剤上の形式的な変更に伴う疑義照会を減らし、保険薬局および処方医師の負担軽減を行うことで患者さんへの薬学的ケアの充実を図ることを目的とした、院外処方せんにおける「疑義照会事前同意プロトコール」を運用しています。
なお、本プロトコールを適正に運用するため、開始にあたっては、趣旨並びに各項目の詳細について当院担当者からの説明をお聞きいただき、その上で合意書を交わすことを必須条件とさせていただいております。本取組への参画をご希望される保険薬局におかれましては、「プロトコール参画希望連絡票」(Excel)に必要事項を記載し、当院薬剤部宛にFAX(042-492-9099)をお願いします。後日、担当者から今後の手続き等について説明させていただきます。
「疑義照会事前同意プロトコール」 [PDF]
「合意書」 [Word]
※院外処方せんにおける「疑義照会事前同意プロトコール」に関する問合せ先
国立病院機構東京病院 薬剤部 電話:042-491-2986(薬剤部直通)
受付時間:平日8:45~17:00
■抗悪性腫瘍剤用トレーシングレポートの運用について
当院では保険薬局が外来化学療法を行っている患者さんから聞き取った情報の中で、即時性は低いものの「処方医師への情報提供が望ましい」と判断した際に使用していただける抗悪性腫瘍剤用トレーシングレポートを用意しました。なお、保険薬局に院外処方せんを持ち込んだ患者さんが外来化学療法を行っていることを確認できるように、当院では使用しているレジメン情報等を記載したシールをお薬手帳に貼付するよう指導しております。レジメン内容の詳細については下記をご確認ください。
情報提供の際は、下記の抗悪性腫瘍剤用トレーシングレポートにご記入いただきFAX送信をお願いします。薬剤部にて集約した後、医師へ情報提供させていただきます。地域保険薬局との連携を図ることで、安全な外来化学療法の推進に繋がるものと考えます。ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
抗悪性腫瘍剤用トレーシングレポート [PDF] [Word]
送信先 国立病院機構東京病院 薬剤部
FAX:042-492-9099(医薬品情報管理室)
■採用医薬品リスト
採用医薬品リスト [PDF](2024年4月更新)
新規採用医薬品 [PDF](2024年12月更新)
製薬企業の皆様へ
■医薬品情報提供活動の院内ルールについて
当院訪問に際しては、下記の「医薬品情報担当者(MR)の院内訪問について」のとおりとしますのでよろしくお願いいたします。
医薬品情報担当者(MR)の院内訪問について [PDF](2023年6月更新)
担当者管理MONITARO登録遵守のお願い [PDF](2023年6月更新)
■薬剤部への情報提供について
薬剤部医薬品情報管理室では、広く医薬品情報を収集することに努めております。医薬品に関する情報提供方法は下記の「医薬品情報管理室への情報提供等について」のとおりとさせていただきますのでご協力の程よろしくお願い致します。
医薬品情報管理室への情報提供等について [PDF]