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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

臨床検査科

 臨床検査は大きく2つの部門に分けられます。
ひとつは血液や尿・喀痰などの検体を分析装置や顕微鏡を用いて検査を行う検体検査部門、もうひとつは、患者さんの身体の状態を波形や画像などへ情報化して検査する生体検査部門です。

 これらの検査は全て臨床検査技師が行っています。さらに細胞診検査や超音波検査においては専門の認定を受けた臨床検査技師が検査を行っています。

検体検査部門

 生化学・免疫血清検査・血液検査・一般検査・細菌検査(一般細菌・抗酸菌)・病理検査、輸血管理は診療棟2階で検査を行っております。

生化学・免疫血清

患者さんから採取した血液や尿などの様々な検体は各種自動分析装置を用いて測定し、測定結果は、病気の診断・治療の判定・病状の経過観察などに利用されます。院内では次のような検査を行っています。

  • 肝機能(AST、ALT、γ-GT、ALP、ビリルビンなど)
  • 腎機能(尿素窒素、クレアチニン、尿酸など)
  • 脂質検査(総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールなど)
  • 膵臓機能検査(アミラーゼなど)
  • 糖尿病関連検査(ヘモグロビンA1c、血糖など)
  • 電解質検査(ナトリウム、カリウム、クロールなど)
  • 感染症検査(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなど)
  • 腫瘍マーカー(CEA、AFP、CA19-9など)
  • 甲状腺ホルモン検査(TSH、FT3、FT4など)
生化学・免疫血清・血液検査

血液検査(血算)

 赤血球、白血球、血小板などの細胞成分やヘモグロビン、ヘマトクリット値、赤血球指数、網状赤血球数などを測定しています。
また顕微鏡で血液像を観察し、白血病やサラセミアなどの血液疾患を診断するのに必要な検査です。

生化学・免疫血清・血液検査

血液検査(凝固)

 血液の中には、血液を固める(凝固)成分と、一度固まった血液を溶かす(線溶)成分があります。この成分を測定します。

生化学・免疫血清・血液検査

一般検査(尿、便)

  • 尿一般検査(検尿)
    尿中のpH、比重、蛋白、糖、ケトン体、潜血、ビリルビン、ウロビリノゲン、亜硝酸塩、白血球を試験紙で定性的に検査します。沈渣依頼のある場合は尿を遠心後、沈渣を顕微鏡で観察し報告しています。その他に胸水、腹水、関節液、髄液などの検査をしています。
一般検査(尿、便)
  • 便潜血検査(検便)
    便の中に血液が混じっているかを見る検査です。

    *検尿・検便についての注意事項
    ・尿量は尿カップの下の線(25と書かれた線)まで採取すれば充分です。尿量が少ない時は 採血室受付までご相談下さい。
    ・検便・検尿共に生理中の方は主治医にご相談下さい。
一般検査(尿、便)

細菌検査

 細菌検査は、提出された検査材料から感染症の原因となる病原微生物(主に細菌・真菌)の検出(培養・同定検査)と、治療に有効な抗菌薬を選択するための原因菌に対する薬剤感受性検査を行っています。また、耐性菌の動向などの情報をICT(感染制御チーム)やAST(抗菌薬適正使用支援チーム)に提供するなど院内感染の予防・監視といった重要な業務を担っています。

  • 血液型検査(ABO血液型、Rh(D)血液型)
    *塗抹検査
    スライドグラスに検査材料を塗り、グラム染色などを行い、顕微鏡で観察します。グラム染色は細胞壁の構造の違いにより、グラム陽性菌は紫色、グラム陰性菌は赤色に染め分けられます。起因菌の推定のほか炎症所見(白血球やフィブリン析出など)や治療の効果判定(菌の消失、フィラメント化・球状化・バジル形成など形態の変化)などを観察します。
  • 細菌検査


    *培養・同定検査
    検査材料や目的菌により、培地や培養条件(温度・時間・炭酸ガス濃度)を選択し培養します。培養をすることにより肉眼で観察できる菌の塊(コロニー)を形成します。コロニーの形や色、性状などを総合的に判断し同定検査を行います。抗酸菌や真菌などの発育が遅い菌種は、培養に数週間程かかる場合があります。

    *薬剤感受性検査
    感染症の原因菌が分離された場合、微量液体希釈法(MIC)により抗菌薬に対する菌の発育の有無を判定し、抗菌薬の効果の有無を検査しています。この検査は治療の際に有効な薬剤を選択する参考となります。
    細菌検査


  • 抗酸菌検査
    抗酸菌はグラム陽性桿菌で細胞壁は脂質に富み、いったん染色されると酸やアルコールに脱色されにくい(抗酸性)性質があります。抗酸菌感染症には結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による結核や非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria,NTM)によるNTM感染症があります。現在NTMは150菌種以上あり、このうちMAC(Mycobacterium avium complex)とM. kansasiiによる感染症がNTM症全体の90%を占めています。


  • *塗抹検査
     集菌塗抹法(至急検査:直接塗抹法)

    *培養検査
     液体培地(MGIT)、固形培地(小川)

    *薬剤感受性検査
     MGIT抗酸菌システム、ビットスペクトル

    細菌検査
    *抗酸菌遺伝子検査
     ・TRC(Transcription Reverse transcription Concerted Reaction)法
     喀痰などの前処理を行った検査材料から核酸を抽出し、TRC反応により結核菌群やMACの遺伝子を
     検出する核酸増幅検査です。培養検査に比べ数時間で同定することができます。迅速検査として
     結核症及びMAC症の診断に役立ちます。
     ・LAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法
     喀痰を前処理せずに核酸を抽出・精製し、LAMP反応により結核菌群の遺伝子を検出する
     核酸増幅検査です。検査開始から終了まで約1時間で検査結果が出るので、当院では
     至急検査時に使用しています。

    病理検査

     病理検査とは、身体の組織・細胞の一部を内視鏡検査や手術等で採取し、処理した標本を認定病理医が顕微鏡で観察し、病理学的に診断をする部門です。また懸命な治療にもかかわらず亡くなられた患者さんの病因解明等のために、ご遺族の承諾のもとに病理解剖を行っています。

    組織診検査
    内視鏡検査で採取した肺、胃、腸などの小組織(1mm角程度)や、手術で摘出された臓器を1~2日間ホルマリン固定し、顕微鏡で観察できる薄切標本を作成します。染色後に悪性か良性、感染症等の診断を形態学的に行います。結果報告は内視鏡検査などの小組織は3~5日、手術摘出臓器は1~2週間程度要します。最近ではがんと診断された場合、この標本から遺伝子変異検査を行うことが多くなりました。この検査により、それぞれのがんの特徴にあった治療薬を見つけることが出来るため、重要な検査となっています。

    細胞診検査
    喀痰や尿、体腔液に含まれる細胞や、気管支鏡下で穿刺や擦過をして細胞を採取します。その細胞を素早くスライドガラス上に塗抹してアルコール固定します。染色後、顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無や感染症等の診断を行います。結果報告は2~4日間程度です。

    術中迅速検査
    手術中に患者さんの臓器や腫瘍組織の一部、体腔液などから迅速に標本を作製し、診断結果を執刀医に報告する検査です。診断結果により手術方法の変更や手術範囲の決定が行われます。検査時間は20分程度です。

    病理解剖
    入院している患者さんが懸命な治療にもかかわらず、不幸にして亡くなられた場合、病気の原因解明などのため遺族の承諾のもと病理解剖を行います。
    病理検査室

    病理検査室

    病理検査室

    輸血管理

     けがや手術などで大量に出血し貧血になった時、白血病などの血液疾患で赤血球や血小板などを自分の体内で作ることが出来なくなった時に輸血が必要となります。

    • 血液型検査(ABO血液型、Rh血液型)
    • 交差適合試験(受血者と供血者の血液適合検査)
    • 不規則性抗体検査(輸血や妊娠などによって作られる赤血球に対する抗体を検出し同定する検査)
    • 宗教的輸血拒否
    輸血管理

    生体検査部門

     生理機能検査室は、診療棟1階:外来ブースの「受付4」にあります。
     ※注意:腹部超音波検査室が移設になりました。
      すべての生理検査(腹部超音波検査も含む)は、「受付4」にてご案内をいたします。


     腹部超音波を含む全ての超音波検査は、再整備された外来ブース30番にて行います。


     食事が影響する検査(腹部超音波検査・ピロリ菌の尿素呼気検査)がありますので、
    ご不明な点は検査室、看護師にお問い合わせください。

    生理機能検査項目
    心電図

    注意点と検査内容

    負荷心電図

    注意点と検査内容

    ホルター心電図

    注意点と検査内容

    聴力検査

    注意点と検査内容

    チンパノメトリー

    注意点と検査内容

    標準語音聴力

    注意点と検査内容

    終夜睡眠ポリグラフィー

    注意点と検査内容

    簡易睡眠ポリグラフィー

    注意点と検査内容

    骨密度

    注意点と検査内容

    呼吸機能検査

    注意点と検査内容

    薬物吸入呼吸機能検査

    注意点と検査内容

    脳波

    注意点と検査内容

    誘発筋電図

    注意点と検査内容

    尿素呼気試験

    注意点と検査内容

    腹部超音波

    注意点と検査内容

    心臓超音波

    注意点と検査内容

    頸動脈超音波

    注意点と検査内容

    乳腺超音波

    注意点と検査内容

    頸部・甲状腺超音波

    注意点と検査内容

    下肢静脈超音波

    注意点と検査内容

    生理機能検査受付


    生理機能検査受付


    生理機能検査受付


    心電図検査

     心電図検査は心臓が動く時に生じる電気的活動を体の表面から記録する検査ですが、ビリッと電気が流れるようなことはありません。安静状態で記録する安静時心電図検査の他、踏み台を使って心臓に負荷をかける運動負荷心電図、日常生活中の心電図を24時間記録する長時間記録心電図(ホルター心電図)などがあります。

    心電図検査

    呼吸機能検査

     呼吸機能検査は、肺の容量や空気を出し入れする換気機能などを調べる検査です。マウスピースを口にくわえて、できるだけ大きく息を吸ったり吐いたりします。気管支拡張薬を使用して薬剤吸入前後で検査を行う場合もあります。
    患者さんに協力していただくことで正確な検査ができるため、検査前に詳しく説明いたします。

    呼吸機能検査

    聴力検査

     聴力検査で一般的な検査に標準純音聴力検査があります。これはどのくらい小さな音まで聞こえるかを調べる検査です。ヘッドホンをつけた状態で様々な高さ・大きさの音を聞き、聞こえる範囲を調べることで、聞こえが正常か、聞こえの悪さがどの部位の異常によるものか判断できます。他には言葉の聞き取りの検査である語音聴力検査などを行います。


    終夜睡眠ポリグラフィー検査

     頭や顔に電極といわれるコードや呼吸を感知するセンサーを取り付けて、睡眠中の脳波や呼吸の状態を記録する検査です。睡眠時無呼吸症候群の診断や治療を考える上で必要となる検査です。


    骨密度検査

     かかとの骨(踵骨)に超音波を当てて骨密度(骨の強さ)を測定します。踵骨の中を超音波が透過する際の速度や量から数値を出します。


    血圧脈波検査

     両腕両足首に血圧計を巻き、両手首足首に心電図の電極、胸に心音を探知するマイクを装着します。手足の血圧の比較や脈波の伝わりから、動脈硬化の程度を数値化します。この検査により動脈硬化(血管の老化など)の程度や早期血管障害(血管の狭窄や閉塞など)を評価できます。


    脳波検査

     脳波検査は大脳に生ずる電位の変動を頭皮上に置いた電極から記録したものです。てんかん、脳腫瘍、頭部外傷、脳血管障害、睡眠の異常などの診断に大変重要な検査です。電極は体の中で発生している電気信号を記録するもので、電極から体に電気が流れることはありません。


    筋電図検査(針筋電図・誘発筋電図)

     筋電図検査は、神経や筋肉の機能を調べる検査です。
    検査には、針電極を用いて筋肉の状態を調べる針筋電図検査と電気刺激を用いて神経系を調べる誘発筋電図検査があります。主に感覚障害(手足の痺れなど)や運動障害(歩行障害などの筋力低下)、その他、手足が勝手に動いてしまう不随意運動や手足が突っ張ってしまう筋緊張異常などの病態評価や診断に有用な検査です。


    尿素呼気試験

     胃かいよう、胃がんなどの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌が胃の中に存在しているかどうかを調べる検査です。
    検査薬1錠を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。


    超音波検査

     超音波検査は人の耳に聞こえない超音波と呼ばれる音波を用いて腹部の臓器や心臓、首や足の血管などを映像化して調べる検査です。モニターを見ながら検査をしますので部屋を暗くして行います。

    超音波検査

    スタッフ

    • 木谷 匡志
    • (きたに まさし)
    役職 病理・疫学研究室長(臨床検査科長)
    卒業年次 平成19年
    専門分野 病理診断
    資格等 日本病理学会専門医
    ひと言 呼吸器疾患を中心に病理学の観点から診療に従事しています。
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