核医学検査とは
RI(アールアイ)検査とも呼ばれています。
放射線の種類の一つであるガンマ線を放出する放射線同位元素(ラジオアイソトープ・RI)を用いた検査です。
体の特定の場所に集まりやすい性質を持った物質にRIでしるしをつけたもの(放射性医薬品)を静脈から注射します。
薬が目的とする臓器に集まったところで、体内から放出されるガンマ線をガンマカメラと呼ばれる特別なカメラで体外から検出し、その分布の様子を画像にします。
この画像をシンチグラフィーまたはシンチグラムといいます。
当院のRI検査では、主に全身骨、肺、脳、心臓の検査を行っています。
当施設の装置
GE社製 Discovery NM630
当院では、GE社製ガンマカメラで撮影を行っています。
この装置は2検出器ガンマカメラと呼ばれ、カメラ部分が2基あります。
全身検査の際には、体の前後を同時に撮影することで検査時間を短くすることができます。
また、脳や心臓の検査ではカメラが体の近くを回転しながら多方向の情報を得られます。
検査の流れ
検査の内容によって、食事制限や注射してからの待ち時間が異なりますが、撮影中は20~30分間、検査用ベッドに静かに横になっていることが一般的です。
検査を受けられる方へ
体内に投与された薬剤から放出される放射線はごく微量であり、時間とともに放射線量も減少し、尿や便などで体外に排出されますのでご安心ください。
検査で使用する放射性医薬品は当日のみ使用可能な特殊なものです。
できるだけキャンセルを避けて頂きますが、やむを得ず検査をキャンセルする場合には前日までにご連絡ください。
検査予約の際には、検査の注意事項を記載した検査説明書をお渡ししておりますので、事前にお読みいただきますようお願します。
次のような方はあらかじめ医師にお知らせください
- 妊娠中、または妊娠をしている可能性がある女性
- これまでに薬でアレルギー反応を起こしたことがある方
- 長時間(約30分)の仰向けが困難な方
安全性
放射性医薬品の放射能は微量で、時間とともに少なくなる性質を持っています。
また尿や便などで体外に排出されますので、体内に残ることはありません。
核医学検査 1回あたりの被ばく量は、0.5~ 15ミリシーベルトと言われ、X線検査やCT検査と大きな違いはありません。
また、使用する放射性医薬品も少量の為、薬の副作用はほとんどありません。
安心して検査を受けてください。
検査の種類と流れ
骨シンチグラフィ
骨の組織に集まる性質をもつ放射線医薬品を注射し、全身の骨の状態を見る検査です。
がんの骨転移、外傷などによる微小骨折など、X線検査ではわかりにくい様々な骨の状態を詳しく調べることができます。
- 午前中に来院し、放射性医薬品を静脈注射します。検査薬が骨に取り込まれるまで
3~4時間かかるので、撮影は午後になります。 - 膀胱周囲の骨を観察しやすくするために、検査直前に排尿します。
- 衣類や装具などで金属のあるものははずします。
- 検査台に仰向けになって、約30分間撮影をおこないます。撮影をしている間は、動かないようにします。
カメラが身体の表面近くを移動し圧迫感を感じると思いますが、身体に触れることはないのでご安心ください。
検査当日の飲食制限はありません。
ただし同日に他の検査がある場合には、他検査の飲食制限にしたがっていただきます。
脳血流シンチ
脳の血流に集まる性質をもつ放射線医薬品を注射し、脳の形態変化の前段階に起こる、
脳血流の変化の状態を調べる検査です。
CT・MRI検査ではとらえる事のできない早期の認知症の診断や、脳血管障害、
脳の機能評価に用いられます。
当院では99mTc-ECD/123I-IMPの2種類の薬を使用しています。
検査の前日や当日には食事制限はありません。検査時間はおよそ30分程度です。
また、目からの情報による脳の活動を抑えるために、目隠しをして検査を行うことがあります。
このほかパーキンソン病の診断を目的とするドーパミントランスポーターシンチグラフィを行っています。
⚑検査の流れ
- 99mTc-ECDでは注射してからすぐに撮影を開始します。
123I-IMPでは注射してから15分後に撮影を開始します。 - 99mTc-ECDではアイマスクを使用し目隠しをします。
検査台に仰向けになって、約30分間撮影をおこないます。
撮影をしている間は、動かないようにします。カメラが身体の表面近くを移動し
圧迫感を感じると思いますが、身体に触れることはないのでご安心ください。
診断では横断像の写真だけではなく画像解析を行っています。
画像解析を行う事によって、認知症の分類や進行具合を客観的にとらえやすくなっています。
当院では、3D-SSP(日本メジフィジックス社)、eZIS(富士RIファーマ社)を用いて解析を行っています。