感染症内科は微生物により引き起こされる病気を診療する科です。感染症は身体のあらゆる臓器に起こりますので、内科、外科などの診療科を問わずに発病してきます。

　抗生物質（今は抗菌薬と言っています）の進歩によりもはや感染症は克服されたという意見が出た時期もありますが、薬の効きにくい菌の出現により重症例がみられていますし、有効な薬のないウイルスやカビ（真菌）は依然として病気を引き起こしています。

　とくにウイルス疾患は決定的な有効薬剤がない場合はまん延することがあり、世界的に広がった新型コロナウイルス感染症や新しいタイプの新型インフルエンザなどは、人的にも、社会的にも、経済的にも大きな脅威となっています。 当院は呼吸器疾患の受け皿の大きな病院ですので、当科の対象疾患は、細菌性肺炎、結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症、HIV感染症合併肺疾患、肺ウイルス感染症などの呼吸器感染症が中心です。特に、結核診療は当院設立当初から多くの患者さんを診ておりその伝統のうえに今の感染症科があるといっても過言ではないでしょう。診療科の枠を超えたアカデミックな雰囲気から、世界に発信する研究もなされているのが当科の特徴です。

　さらに院内の感染対策を担っている感染制御チームをサポートしており、感染症が院内に広がらないように日々活動しています。