消化器センター
概要
日本人の死因の第一位は、時代と共に、結核から脳血管疾患、そして癌へと変化しました。このうち消化器癌による死亡者数は、癌全体の死亡者数の50%を超えています。また、癌と並んで重要な消化器疾患である急性腹症は、現在でもなお診断や治療が遅れると、腹膜炎や敗血症、ショック、多臓器不全を合併し、致命的となることがあります。
胃の調子が悪いので胃薬を飲んでいたが良くならないので、専門病院を受診してみたら、胃癌が進行して全身に転移していた…お腹が痛いので痛み止めを飲んだがだんだん効かなくなり、救急車を呼んだ時には、急性虫垂炎が進行して穿孔性腹膜炎になっていた…決してひとごとではありません。どんなに大きな病気でも、最初は小さな症状から始まります。ちょっとした症状に気付いた時、すぐに専門医に相談できるかどうかで運命が決まります。
消化器は、食べ物を口からお腹に送る食道、食べ物を一時的に貯めておく胃、食べ物と消化液が混じり合う十二指腸、消化吸収をする小腸、水分を吸収する大腸、便を排泄する肛門、吸収された栄養を代謝する肝臓、肝臓で解毒された老廃物を腸に排泄する胆道(胆管と胆嚢)、消化液を作る膵臓と、たくさんの臓器から成り立っています。そして、それぞれの臓器に、癌やポリープなどの腫瘍、ピロリ菌や肝炎ウイルスなどの感染症、循環障害、潰瘍、ヘルニア、胆石、痔など様々な病気が生じます。
このように多様な消化器疾患に対する迅速で総合的な専門診療を、地域の皆様にご提供できるよう、消化器センターでは10名の消化器専門医師(内科系6名、外科系4名)を中心に、消化器専門看護師、放射線科医師、リハビリテーション科医師、緩和ケア内科医師、地域医療連携医師、臨床検査技師、管理栄養士、理学療法士、ケースワーカーらが連携してチーム医療にあたっています。