2015年に施行されたいわゆる難病法第一条に以下の説明があります。
病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの
すなわち、難病とは原因などがはっきりわからない、比較的珍しい疾患で、なおかつ日常生活をおくるのに療養が必要な疾患ということです。脳神経内科の診療対象にはこの難病にあたる疾患が数多くあり、今日でも、病態の解明、治療法の確立などおいて研究が進められています。当院でも積極的にかかわるよう努めています。しかし、その研究結果が現在問題を抱えておられる患者様に直接反映されるようになるまでにはまだ時間がかかるため、現在取りうる手段を検討し、患者様、ご家族様の負担を軽減するよう努めております。
この法律は、難病に指定された患者様に対し適切な医療の提供と難病にかかる公平かつ安定的な医療費助成を目指して策定されました。
脳神経内科では、この法律の理念に基づき難病の患者様に対し、積極的な医療の提供により適切な診断、治療、療養を提供していきたいと考えています。
当院で診療可能な主な神経難病の疾患は以下の通りです
告示番号 | 指定難病名(神経・筋疾患) |
---|---|
1 | 球脊髄性筋萎縮症 |
2 | 筋萎縮性側索硬化症 |
3 | 脊髄性筋萎縮症 |
4 | 原発性側索硬化症 |
5 | 進行性核上性麻痺 |
6 | パーキンソン病 |
7 | 大脳皮質基底核変性症 |
8 | ハンチントン病 |
9 | 神経有棘赤血球症 |
10 | シャルコー・マリー・トゥース病 |
11 | 重症筋無力症 |
12 | 先天性筋無力症候群 |
13 | 多発性硬化症/視神経脊髄炎 |
14 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー |
15 | 封入体筋炎 |
16 | クロウ・深瀬症候群 |
17 | 多系統萎縮症 |
18 | 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。) |
22 | もやもや病 |
23 | プリオン病 |
24 | 亜急性硬化性全脳炎 |
25 | 進行性多巣性白質脳症 |
26 | HTLV-1関連脊髄症 |
27 | 特発性基底核石灰化症 |
29 | ウルリッヒ病 |
30 | 遠位型ミオパチー |
31 | ベスレムミオパチー |
32 | 自己貪食空胞性ミオパチー |
33 | シュワルツ・ヤンペル症候群 |
50 | 皮膚筋炎/多発性筋炎 |
111 | 先天性ミオパチー |
112 | マリネスコ・シェーグレン症候群 |
113 | 筋ジストロフィー |
114 | 非ジストロフィー性ミオトニー症候群 |
115 | 遺伝性周期性四肢麻痺 |
116 | アトピー性脊髄炎 |
117 | 脊髄空洞症 |
119 | アイザックス症候群 |
120 | 遺伝性ジストニア |
121 | 神経フェリチン症 |
122 | 脳表ヘモジデリン沈着症 |
123 | 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症 |
124 | 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症 |
125 | 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 |
126 | ペリー症候群 |
127 | 前頭側頭葉変性症 |
128 | ビッカースタッフ脳幹脳炎 |
130 | 先天性無痛無汗症 |
141 | 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん |
具体的な助成内容や、手続きは診察時に担当医にお問い合わせください。
これらの疾患以外にも小児期発症で小児科において診療されていた難病患者様も小児科から成人期の医療へ移行する「移行期医療」の重要性も指摘されており、これからの課題となってくると考えられます。
医療の環境が変化する中で、患者様、ご家族様とともに難病の克服に一層の努力をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。