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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

呼吸器センター

治療

 内科系一般呼吸器病棟200床、結核病棟は50床の計250床に加え呼吸器外科20床と都内最大の病棟規模であり、喘息・アレルギー系も含めバラエティに富んだ病気の治療に対応しています。また特殊治療として喀血患者さんに対して気管支動脈塞栓術を行っております。
入院治療では上級医である主治医指導のもと、後期研修医や大学からの若手派遣医師を担当医とした二重主治医制をとり、きめ細かな診療を行っており、同時にすぐれた臨床教育の場ともなっています。
患者さんにより良い医療を提供するために、病棟内・センター内・院内全体など様々なレベルで常時カンファランスを行い、主治医以外の意見も診療に反映させ、また各科で連携を図ることで、偏りのない質の高い医療を提供します。


 手術が必要な患者さんには呼吸器外科と内科で連携して治療にあたり、さらに術後・長期内科治療に伴う運動機能低下や呼吸機能低下に対してはリハビリ科と連携し、各種リハビリを治療と並行して行います。


 疾患や抗がん剤治療などに伴う食欲低下に対しては栄養管理室から管理栄養士が、内服・吸入治療については医師・看護師の他に薬剤科から薬剤師が説明・指導にあたり、患者さんにより細やかな対応を行います。また入院費の支払いや退院後の療養、生活に対する不安に対しては医療ソーシャルワーカーや退院調整看護師が地域の病院や訪問看護ステーション、担当ケアマネージャーなどとも連絡をとって、退院後も患者さんが安心して療養できるようにお手伝いいたします。

カテーテル治療

喀血・血痰の止血を目的とした重要な検査・治療です。
原因が気管支動脈以外の血管の場合にはその血管で塞栓術を行います。
水曜 午前、金曜 午後  アンギオ室にて

気管支喘息治療

治療の難しい成人喘息患者さんに対し、新しい生物製剤(抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-4受容体抗体)による治療を数多く行っています。さらに、スギ花粉症、ダニアレルギーに対する、舌下免疫療法も行っています。

手術治療

原発性肺癌

昨今、Evidence-Based Medicine(EBM)というものが提唱されています。肺癌の治療に関しては「肺癌診療ガイドライン」が2003年に初めて発行され、2011年以降は毎年改訂されてきています。日本全国の呼吸器内科医・呼吸器外科医がこのガイドラインに基づき、治療方針を決定していますので、特殊な肺癌や多数の併存症をお持ちの患者さん以外は施設毎で治療方針に大差はないと思います。原発性肺癌の病期分類や切除後の予後などに関しても巷に情報が溢れていますので以下のサイトを参考にしてください。

日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン
https://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html

I期、II期非小細胞肺癌の標準手術(根治手術)は肺葉切除+リンパ節郭清です。当院では患者さんの状態・年齢・併存症などにより切除方法を検討致します。具体的には切除するための傷の大きさと切除する肺の量を決定します。
高齢で低肺機能の患者さんには完全胸腔鏡下(3ポート)で呼吸筋のダメージを少なくしたり、きわめて早期といえるような病変(0期)に対しては積極的縮小手術として胸腔鏡下部分切除や区域切除も行います。肺は再生しない臓器であるため、治療効果と呼吸機能を天秤にかけ、必要以上の切除は極力避けたいと考えています。
IIIA期非小細胞肺癌でリンパ節転移が複数箇所である場合は呼吸器内科にて化学・放射線治療を先行し、明らかに縮小した場合には切除対象とすることがあります。リンパ節転移が1か所と考えられる場合には化学放射線治療を先行せずに切除致します。IIIA期は切除対象のギリギリになる症例であるため、施設によっては治療方針にバラつきがありますが、当院は可能な限り切除を検討致します。
IIIB期、IV期非小細胞肺癌は基本的には切除することにより、根治が目指せるものではないので、あくまで診断目的であったり、姑息的な切除となります。
ただし、近年は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など新規の抗がん剤が著しく開発、応用されており、IIIB期やIV期であっても化学療法により腫瘍が縮小し、改めて切除対象になることもあり得ます。

炎症性肺疾患

特に手術対象となるものは肺非結核性抗酸菌症、肺アスペルギルス症、膿胸などです。細菌が原因の病態であるため内科治療が主体ですが、内科治療にも限界があり、病巣を切除することで菌量を減少させ、病巣を広げないために手術が必要になることがあります。これらの病気に対し精通した呼吸器内科との連携があるが故に外科的治療を行うことが出来ます。炎症性肺疾患と言えば「清瀬の東京病院」と言われる由縁です。
これまで炎症性肺疾患に関しては伝統的な呼吸器外科の切開創で行われることが普通でした。具体的には30-40㎝くらいの背中の傷、後側方切開です。2012年より切除範囲が小さく、胸壁との癒着が軽度の場合には可能な限り完全胸腔鏡下手術を行うことにしております。摘出するための5㎝以下の傷と1㎝程度の傷2か所の計3か所の傷で行い、術後のダメージを極力少なくなるように努力しております。
ただ、手術を行わなければ病巣のコントロールが出来ないような状態の患者さんは、感染状態が重篤なことが多く、従来の開胸方法になる場合もあります。

縦隔腫瘍

縦隔腫瘍切除に多く用いられてきた到達方法は胸骨正中切開法というもので、いわゆる心臓手術と同じく、胸骨を割って行う方法です。術前に腫瘍が良性であることが判明している場合には胸腔鏡による側胸部からの切除が可能である場合が多いです。縦隔腫瘍で多いのは胸腺腫ですが、腫瘍による周辺臓器への浸潤がなければ、胸腔鏡下切除で行っています。治療成績に関しては全国的にも、当院としてもまだまだ少ないため不明な点もありますが、美容面、痛みなどを鑑みた場合にはお勧めできる方法だと思われます。

気胸

肺に穴が開いて、肺が虚脱する病気ですが、若年者(40歳くらいまで)と高齢者とでは肺の状態が大きく違います。若年者の気胸はいわゆる「やせ型の若い男性」というのがイメージで、原因ははっきりしませんが、肺の一部に嚢胞(ブラ)と呼ばれる小さな袋状の隆起が出来て、これが破裂して起こります。周囲の肺自体はほぼ正常なので、この嚢胞を切除することで、空気が漏れて肺が虚脱する原因を除去できます。胸腔鏡にて行い、手術日程次第では最短4日の入院となります。高齢者の気胸は多くは喫煙により肺気腫となっており、破裂する可能性のある嚢胞が多発しています。もしくは間質性肺炎や癌が存在することもあります。破裂した肺を切除することで容易に空気漏れが止められない可能性もあり、併存症があることも多いので、手術に際しては十分な評価が必要です。

当科における手術症例数(一部抜粋)

年度 H26 H27 H28 H29 H30 H31
肺悪性腫瘍            
 原発性肺癌 95 99 106 80 90 68
 転移性肺癌 7 4 2 7 5 6
炎症性肺疾患            
 アスペルギルス症 13 12 6 8 16 10
 非結核性抗酸菌症 19 25 16 19 22 16
縦隔腫瘍            
 胸腺腫 4 5 1 3 4 4
?胞性肺疾患            
 気胸 53 46 49 60 40 28
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