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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

リハビリテーション科研修について

 東京病院のリハビリテーション科での研修についてご紹介させていただきます。
 当院は522床の病床数を有する医療機関ですが、内50床が回復期病棟として機能しております。研修の主は、こちらの回復期病棟の病棟管理になります。その他、一般病床に入院する他診療科からのリハビリテーション治療の依頼にも対応するため、急性期の患者さんに対するリハビリテーション治療も担当します。
 回復期病棟では、脳血管障害や骨関節疾患などの疾病によって、身体機能や活動に障害が生じた患者さんのリハビリテーション治療を行っています。当院の回復期病棟の特徴として、入院患者さんの内、若年者が多いこと、脳血管障害が割合として大きいこと、が挙げられます。リハビリテーション医学の基本ではありますが、多職種で連携をとり、それぞれの患者さん毎に適切な目標設定を行い、それに向けたリハビリテーション治療を提供することに努めています。経験豊富な指導医が身近な存在としていらっしゃるため、常に学びながら業務に従事することができます。また、看護師、療法士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士と、職種間の垣根がとても低く、コミュニケーションがとりやすい職場である点も当院の魅力です。また当院は、東京都より北多摩北部医療圏における高次脳機能障害支援普及事業施設に指定されており、高次脳機能障害を抱えることとなった患者さんの支援活動にも尽力しており、他にはない経験の場となっております。
 一般病床のリハビリテーション治療では、周術期、がん、神経変性疾患など多様な疾病を抱えた患者さんに関わる機会がありますが、とりわけ、呼吸器疾患を抱えた患者さんを多く経験することができます。これは、当院の特徴として呼吸器内科の医師数が多く、結核や肺がん、慢性閉塞性肺疾患をはじめ、呼吸器疾患に対して専門性の高い治療を提供している病院の体制によるものです。当院の前身が東京療養所・清瀬病院でありますが、結核に罹患した患者さんの療養の場、また、社会復帰を促進する場(これがリハビリテーション治療の先駆けともされています)として機能していた歴史も有しており、そういった時代の流れを感じるところであります。
 当科は嚥下機能検査(嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査)も積極的に行っており、当科医師と歯科医師が軸となり、摂食嚥下機能障害を有する患者さんの機能評価、適切な食事環境調整に携わっています。学際的な面では、抄読会を定期的に行っており、また、学会発表のサポート体制も充実しております。休暇を柔軟に取得することができるなど、ワークライフバランスの向上にも前向きな職場でもあります。
 当科の研修にご興味をお持ちくださった方は、ぜひお気軽に見学へお越しください。

海外留学体験記

 国立病院機構海外留学専修医制度を利用して約7週間ロサンゼルスVAに滞在する機会を得ました。私はリハビリ科の医師ですが、リハビリテーション医学は第二次世界大戦後の負傷兵を社会復帰させる目的で主に米国で発展してきた歴史があります。このため米国Veterans hospitalsのリハビリ科の臨床現場を見ることは、私にとっては大きな意義がありました。今回ロサンゼルスVAのリハビリ科(Physical medicine and Rehabilitation)にお世話になり、主にResidentと一緒に行動をさせて頂きました。彼らは非常に温かく迎えてくれて、研修期間中私をサポートしてくれました。Residency programは非常に充実しており、朝の講義から始まる教育体制や毎日のroundには感心しました。
また、military serviceによって生じた頭部外傷・高次脳機能障害を見させて頂き非常に貴重な経験でした。患者の大多数は20~30代のイラク・アフガニスタンから戻ってきた若者で、専門外来では高次脳機能障害の評価・訓練、またMSWや臨床心理士と連携して社会復帰のサポートをしています。現在の日本ではこういった患者さんを診療する機会はありませんが、医療には社会背景が強く影響することを実感しました。
また、研修期間中プログラム責任者の先生は朝の講義の時間に私に発表の機会を与えて下さりプレゼンテーションをさせて頂きました。これは国際学会に参加したことのない自分にとっては大きな功績でした。この研修が今後の自分の大きなモチベーションとなることは間違いありません。この海外研修プログラムがより一層充実し、たくさんの若い先生が参加されることは有意義なことと思います。

ロサンゼルスVA留学時の様子

伊藤郁乃

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